「……」
沈黙が、二人を包んだ。
その沈黙を破ったのは、マジックだった。
「まったく、お前は私の思い通りにならない」
何処か自嘲を込めるように、彼はそう言って笑った。
もっと直接的な言葉を言わせて、お前を泣かせたかったのにと、マジックは呟いた。
最後は絶対に、お前は私の思い通りにならない。
そしてまったく別のことを言う。やる。いつもそうやって。
私を降参させる。
「ア、アンタだよそれは! アンタの方が、俺の思い通りになんねーじゃねえか!」
何をほざきやがる、心外だとシンタローは叫んだ。
馬鹿なことばかりで俺を振り回して、俺を降参させるのはアンタじゃないか。
俺はいつも。俺ばっかりが一生懸命で。
なのにアンタは、甘いようで実は苦くって。
最初の口当たりはいいのに、どんどん苦くなっていって、でも食べるのをやめられない。甘かった頃を覚えているから。苦いのに、麻薬みたいに、一度関係を始めたら、やめられない。
俺にはそれが、どうしようもなく惨めで。
「どうしてなんだろうね」
相手はシンタローの頬に指を伸ばしてきた。
ふわりと、優しかった。
その、涙の跡を、静かになぞっている。
「私はいつだって。なんだって、お前の思い通りさ。わかっているだろう」
触られたシンタローのその跡を、また新しい涙がつたっていく。
「わかんねえよ……俺はわからない……」
そうシンタローが答えたのに。
どうしてだろう、とマジックは、小さく続けて、指でシンタローの顎を、くいと上げた。
そして顔を、そっと近付けてくる。
シンタローの視界は、部屋の灯りが金髪に隠れて淡くなって、暗くなって、だから彼はぎゅっと目をつむり、視界はすぐに真っ暗になって、あとは感覚の世界に取って代わられる。
相手の唇の感触がして、シンタローはまた涙が一粒、零れたのを頬に感じた。
「ほらね……私は、いつだって、最後は」
間近で囁かれる声に、ぞくりとした。
「お前の思い通りさ……知っているだろう。こうやって口付けるとね……感じてごらん。私の味は、甘いよ……」
冷たいのに熱くて、苦いのに甘いのは、どうしてだろう。
「……ッ」
両腕はまだ背後で縛られていたままだったから、仰向けに身を投げ出したままだったから。
シンタローは、自分でも気付かないうちに少し首を伸ばして、相手の唇を受けていた。
それが届くまで、待ちきれなかった。
触れた瞬間、じんわりと優しい感触がして、何かが溶けていくのだとぼんやりと思う。
そして、このただ一つの口付けが、今日された色々なこと、酷いこと、指先の愛撫、言葉――そのどれよりも、感じると思った。
身体だけじゃなくて、心が、震えた。
触れているだけなのに。
懐かしい匂いがして、とろけそうな感覚がして、そして、相手の言葉通りに。
甘かった。
二人の唇は、ずっと触れ合っているだけだった。
まるで子供同士のキスのようだ。
でもそれが……どうしてか、シンタローには不思議に心地良い。
唇から、自分の身体に、優しい甘さが流れ込んでくる。
そしてきっと、相手の身体にも、自分から優しさが流れ込んでいっているのだろうと、ふと感じる。
その甘さは、二人の芯を溶かして、混ぜ合わせて一つにしていくのだ。
唇を合わせただけで、どうしていつもはわからないことが、すんなりとわかってしまうのだろうかと、優しい気持ちになることができるのだろうかと――シンタローは、息をつきながら考えた。
シンタローは目をつむっていたけれど、頭を撫でられて、きゅっと抱きしめられる感触がしたから、そっと薄目を開けた。
「……」
すると間近の相手の目蓋は、閉じてなんかいなくって、青い瞳が熱っぽく自分を見つめていて、視線が合ってしまったから。
シンタローはそのまま目を逸らすことも閉じることも、できなくなる。
どうしようと、ぱちぱちと黒睫毛の先で瞬きをした。
そんな自分を見てとって、相手は少し唇を引き気味にして、焦らすような仕草をしたから。
つい責めるような色を黒瞳に込めてしまって、すぐにしまったと思った。
マジックが、力を抜くように目だけで笑ったのがわかった。
そして、唇を僅かに離したまま、シンタローだけにしか聞こえないような小さな声で、こう言ってくる。
「……抱きしめればこんなに柔らかくなるのに。どうしてお前は、いつも硬いんだろう。硬くていつも私を跳ね返そうと、ピリピリしている。だから私はつい、つつきたくなって、意地悪をしてしまうよ」
意地悪をされる方としては、たまったものではないとシンタローは抗議しようとしたが。
また薄い唇が落ちてきて、自分の言葉は遮られた。
今度は唇の端に相手の息がかかって、上唇にはそっと、撫でるような羽根の先が触れるような、そんな感触がした。
「……」
全身は、くったりとしてしまっていて、力が入らない。
自分の身体で、まるで唇だけが生きているんじゃないのかと、シンタローはそう思う。
静寂、甘い香り、甘い視線、甘い唇。
触れ合う。相手の息を感じる。自分も息をする。
シンタローは、いつしか抱き起こされて、マジックの膝の上に乗せられている。
向かい合うように抱きしめられていて、相手の胸が自分の胸にぴったりくっ付けられていて、それでも唇は触れているだけだった。
唇の触れあい。
それは直接的な刺激、快感を湧き起こすようなそんな動作では、決してないはずなのに。
シンタローはじっと大人しく身動きしないままでいて、身動きできずにいて、その感触に酔っていた。
唇を合わせたばかりの時は、胸がドキドキと波打っていたのに、徐々にそれは穏やかな安らぎに変わっていって、身の内に篭る熱も、じくじくと蝕むそれから、ゆったりと優しい気持ちを高めるものへと変わっていくのだった。
さっき、大嫌いだと思ったのに。
そう思いながら、シンタローはその柔らかい唇を、相手のそれに押し付けた。
そうやって、長い時間、二人は口付けを交わしていた。
いつ唇が離れたのかということを、シンタローは覚えてはいない。
ただ、いつの間にか自分の耳元に、相手の唇が移動してきていて、こう囁かれたことが、シンタローにとってのそのキスの終りだった。
向かい合わせに抱き合ったまま。
「……シンちゃん。シンちゃんが頑張って練習してくれたのって、もしかして明日は父の日だから? 私の方が忘れていたよ。さっき、グンちゃんに食事の時に言われるまで、本当に気づかなかったなあ……明日が父の日だってことを。最近、私も忙しかったから」
「はっ? 全然、ゼンッゼン、そんなの関係ねーよ! もう、いいじゃねえか。ンなのどーでも」
本当に関係ないことだったから、それにその話を蒸し返されるのも恥ずかしくて、シンタローはムッとした顔を作って、横を向いた。
そして、こいつにとっては、物置で俺に『ヘタクソ』って言ったことなんかどうでもよくって、俺ばっかりが気にしていたんだなと思ったが、そうなってくると本当にムッとしてきた。
結局シンタローは本当にふくれっ面になってしまった。
折角、優しい気持ちになったばかりだったのにと。
二人の間のわからないことが唇を合わせた時には、わかったような気がしていたのに、離すとどうしてこうもあっさりと、元に戻ってしまうのかと。
シンタローは自分でも勿体無く感じたのだが。
もうこればっかりは、どうすることもできなかった。
すでにこの男にいちいち腹を立てるのは、自分の本能なのだ。
「何怒ってるんだい」
マジックの不思議そうな声も、癪に障る。
ますます横を向きたくて、シンタローは自分の肩に頬をつけた。
正面の男から180度に顔を背けて、ほとんど後ろを向くような格好だ。
「まあ違うって言いたいのなら、違うでもいいけれど。でも、それならそうと最初に言ってくれれば良かったのに。そうしたらね……」
それでも気にしない風の彼は、シンタローの流れる黒髪にゆっくりと指を絡めてくるのだった。
今度はそこに口付けてくる。
「そうしたら、私も色々疑ったり、お前があんなことをする原因がわからないからお仕置きしたりしないで済んだし……こうしてキスして『ありがとう』って言っただろうに」
「な……ッ! 俺が悪いって言うのかよ!」
流石にマジックのこの言い草にはカチンときて、後ろを向いたまま、シンタローは叫ぶように言った。
相手が『父の日』だからだと勘違いしているのなら、そう思わせておこうと考えたシンタローだが。
……俺が『ヘタクソ』を気にしてた、なんて絶対に知られたくねェ。でもな。でも、俺が悪いって! どーいうことだよ!
明らかに120%、アンタがいつも悪いんじゃねーかよッ!
理不尽な物言いには、どうしても抗議せざるをえない。
相手の、のほほんとした声が、聞こえる。
「シンちゃんが、いつも意地っ張りでちゃんと言ってくれないのが悪い。それと、可愛いのが悪い。私が意地悪したくなるような、ツンツンしたつれない態度ばっかりなのが悪い。お仕置き始めたら、最後までやり遂げたくなる完璧主義な気持ちにさせるのが悪い。それとねえ、」
「俺は悪くねぇ――――ッッ!!!」
「はいはい。わかったわかった。悪くない、悪くない」
「そーいうのがムカつくんだよ! だいたいなあ! アンタはいつもなあ!」
「あーあ、折角、懐いた感じだったのに、またいつもの調子だなぁ。やれやれだよ。それにどうして、そんな後ろ向いたまま私に怒ってるの。ちゃんとこっちを向いて話してよ」
「チッ……」
シンタローは舌打ちをすると、不承不承に正面を向いて、マジックに視線を合わせる。
そして、言い切った。
「アンタのせいなの! 全部! ぜーんぶっ! っつーか、この俺の手、離せ! いつまで後ろ手に縛っとくつもりなんだよ! こーの犯罪者!」
わかってるよ、すぐにはずしてあげるけれど。
マジックはそう言ってから、シンタローの睨みつける目を見て、悪戯っぽく笑った。
「はい、もう一回、キス」
ちゅ、と素早くこれもへの字に曲がったままの、シンタローの唇に、また唇で触れてくる。
「……ん……」
少し、くすぐったくって。
その感触に、シンタローはまた陶然としそうになったのが。
相手は、すぐに唇を離してしまって。その代わりに聞き捨てならないことを言った。
まったく、油断も隙もない。
「パパはお前のお願い通りに、キスしたよね。だから、シンちゃん、今度は」
そして、小さくシンタローの少し肉厚の下唇を甘噛みして、マジックは囁いたのだ。
「もう一回。このお口で、して。父の日のプレゼント」
「……!」
言葉を意識した瞬間。
シンタローはまた、かあっと赤くなった。
……父の日のプレゼントって。
「父の日のプレゼントなんて、アンタ、ちゃんとした息子とかいるし、もういいじゃんよ。グンマとかから貰うんだろ。別に俺からいらないんじゃねえの」
そう口を尖らせて言った自分を。
「んー、素直じゃないなあ」
膝の上に自分を乗せたままの男は。
自分の鼻を、つんつんと指でつついてきたので。
シンタローは慌てて首を振って、その指を払った。
「どうして、シンタロー。私はお前からも欲しいんだよ」
「だから。別にいいじゃん、もう」
我ながら意固地になってしまっていると思ったが、キスをする前に感じていたあのやり場のない気持ちが、またむくむくと首をもたげてくるのに気付いていた。
あのな……わかってると思うがな。
アンタには、他にも父親役やってやんなきゃなんない奴が、三人もいるんだよ!
だからな、そっちに手をかけてやれよ。もう俺はそろそろいーじゃねーか。
それに……なんでも俺に欲しがれば、手に入ると思いやがって!
俺を甘く見てやがる!
まったく、そういうのがムカつくんだと、シンタローは憤慨してイライラして、無意識に爪を噛もうとして腕を動かして、まだ縛られたままだったことに再度気付く。
くっ……ほーんと! ムッカつく!
しかし相手は。
ゆったりとした声でこう言ったのだ。
「確かに眠っているコタローだって。グンマだってキンタローだって……あの子たちは、いい子たちだよ。父の日を祝ってくれるのなら、こんな嬉しいことはない。でもね。シンタロー……お前だけにしか、貰えないものって、あるだろう」
「ああ? おっ……俺だけ……?」
思わず声が裏返ってしまって、慌ててシンタローはゴホンと咳をし、喉を整えた。
そうさ、とマジックは、今度は楽しげにシンタローの唇をつついてくる。
そして、囁くように言った。
「父の日。私はお前が欲しいな」
「ベッ……ベタな奴ッ! ンな歯の浮くような台詞、はははは恥ずかしくねーのかよっ」
「どうして? 本当に思ってることだから。恥ずかしくなんかないよ。気持ちだけじゃなくって、身体までまるごと欲しいって思うのは、お前だけ。本当だよ、信じて。疑わないで」
「……ケッ」
ぬけぬけとこんな台詞。
恥ずかしいのは、言われてる俺だけかよ。
そういうのも不公平で、はりきりムカつく。
迷惑。迷惑。大迷惑だぁっ!
シンタローは口をもぐもぐさせた後、頭の中で言う言葉を捜して、ついこう返してしまった。
「そっそれに! テッ……テテテテテクニシャ……の……方……いい……がっ、がぁー! 何でもねえ!」
「テクニシャン? 何の話だい。そんなのどうでもいいから。私は、お前が欲しいんだよ。お前だけが欲しい」
「う、うわー、ぞわっときた! どーしてそんなの臆面もなく言えるんだよ! この口!」
シンタローは、手が使えない以上、相手の膝に座っている以上、唯一のリーチを持つ武器である黒髪を振って、マジックの口を、それで軽く叩いた。
パシンと黒髪攻撃。
それでも相手は笑っている。
そしてまた、『お前だけが欲しい』と臆面もなく繰り返した。
なんだか幸せそうだ。
また嫌がってるのは俺だけで、不公平なこの状況。
いつかこいつの嫌がることを見つけ出して、逆襲してやろうと、シンタローはそう固く心に決めたのだが。
だが。
っていうか。
あのな。
……俺だけ。
つい心で反芻してしまう。
俺だけ。
……
…………
………………!!!
シンタローは、また鬱陶しげに黒髪を振った。
汗で首筋に、毛先が張り付いてしまっていたのだ。
髪も、言葉も。全部が。ええい、まとわりついてきやがって!
「あーもう! うっざいなあ! なーんで俺が、アンタのなんかを! バッバカにすんな! べっつに俺、えーと俺……」
「そう? なら……」
「チッ……とも思ったが!! しかたねえな! ジッとしてるんなら! 大人しくして、なんにもイタズラしてこねーのなら、やってやってもいい! ホラ、モタモタすんな! まーったく、アンタのしつこいのにも迷惑するよナ!」
出血大サービス続行だ、仕方ねえ。
父の日だから、仕方ねえ。
後でもっととんでもないコト、要求されるの、ヤだし。
これぐらいで手を打ってやるのは、政策的判断というやつだ。致し方ない。
なんて出血大サービス、出玉爆発新台入れ替え一挙大放出確変大当たりの海(略)。
しかし相手はシンタローの目の前で、首を傾げている。
「なんだい、シンちゃん。急に元気になっちゃって。いやに張り切りだしたよ、この子は」
「うっさい! そのまま! そのまま動くんじゃねーぞ! 少しでも動いたら、すぐヤメるからな!」
……朝方は、『たかが』とか『大したことない』とか、酷い言われようだったが!
アレは、場数を踏んでなかったから、上手くやれなかっただけだっての。
今度こそ。
くっそお! 俺が本気になったらなあ!
すっげーってトコを、見せてやろうじゃねーかッ!
ぎゃふんって、言わせてやる!
無理じゃないっての、見せつけてやる!
「じっとしてろ! こっち座れ!」
「はいはい」
シンタローは、相手を牽制しながら、ゆっくりと相手の膝の上から降りた。
そして自分の言った通りに、マジックがベッドの縁に身体をずらし、足を床につけて腰掛けたのに、ひとまず大きく頷いて。
よし。
それから、シンタロー自身も裸足のまま、床に降りる。
「……」
「シンちゃん。はい、どうぞ」
余裕の笑みで自分を見つめる相手。
その相手の嬉しそうな顔。酷薄そうな唇。
イヤだと思ったが。少し承諾したことを後悔したのだが。こうなってしまっては、それこそ仕方がない。
「私のは私のでしか、練習できないって。さっき言ったけど。はは、練習したいんなら、いつでも言ってね! パパ待ってる!」
「うっざ! 喋るのもうっざ! 集中できねーだろ! 邪魔すんな!」
「そこまで精神統一しなくても……いつも一生懸命なんだから……ま、そんなトコがいいんだけどね」
シンタローはしばらく立ったままで目をつむると。
「……」
意を決して、男の足元に膝を折り、四つん這いの姿勢――もっとも、腕は背後で縛られているので床についているのは両脚だけだったが――になった。
鍛えられた腹筋で上半身を支えているが、シンタローはなんだかバランスが悪いと感じている。
身体のバランスも悪かったが、上半身が軍服、下半身が裸、というこの状態を長く続けていること自体も、精神的にバランスが悪かった。
その危うい不調和が、マジックの不躾な瞳に、舐めるように観察されている。
四つん這いになったことで軍服からより露出してしまう、自分の腰や太腿に、嫌な視線を感じてしまう。
肌に吸い付いてくるような。見られているだけで愛撫されているような。
この。この粘つく。
「う……」
くそう、変態め! とシンタローの胸に本日何十回目かの憤りが駆け抜けるが。
……おっと、精神統一が無駄になるとこだった、怒っちゃダメだ、怒っちゃダメだ、俺。
こらえて、もう一度目をつむる。
呼吸を整える。
そして。
目を開くと。
「……」
ベッドに腰掛けるマジックの脚の間に、生真面目な表情をした顔を近づけた。
両手は塞がれていたから。
まずジッパーを降ろさなくてはいけないのだ。
自分で降ろせよ。さっさと。
そうシンタローは忌々しく思ったが、相手は一向に動く気配がなかった。
まさか、ジッとしてろっていうのを、こんな時だけ守って……!
ぐぅ……っ!
シンタローは、きつい目でマジックを見上げたが。
「ん?」
相手がにやにやしているのがわかって、見上げてしまったことを後悔して、シンタローは唇を噛む。
そして自分を叱咤した。
おいおい! こんな最初でつまづいてどーする! 俺!
そーだ、こんなの。平気な振りして、やってやんなきゃ。何でもないって振りでよ!
だからシンタローは。
再び真剣な目をすると、首を伸ばして、相手のジッパーの先を咥えた。
噛むと、舌先がわずかに震えた。
冷たい金属の味がする、小さなそれを。
「……」
静かに、引き降ろす。
金属の噛み合わせの擦れる、チィ……という音に、やけにぞくりとした。
そして鼻先と唇を使って、必死にそれを取り出そうとする。
下着越しに顔に伝わってくるマジックのそれは、すでに熱くて硬くて。
そうと意識した瞬間。
思わずシンタローは『ああ』と微かに吐息を漏らした。
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